インプラント治療は原則として自由診療のため、治療費が高額になりがちです。そのため、「保険が使えるケースはあるの?」「少しでも費用を抑える方法はないか」と考える方もいらっしゃるでしょう。
本コラムでは、インプラント治療において保険適用が認められる条件を解説します。また、自由診療であっても負担を抑えるために重要な医療費控除の活用方法についてもご紹介します。
「費用面が心配で治療に踏み切れない」という方にとって、知っておきたい情報をまとめましたので、ぜひ最後までご覧ください。
インプラント治療は、歯を失った部位に人工歯根(インプラント)を埋入し、噛む機能や審美性(見た目)を回復させる治療法です。
しかし、日本の保険制度上、審美性や快適性の向上を主な目的とする治療は保険適用外となるため、インプラント治療は原則として自由診療となります。
ただし一定の条件を満たし、あらかじめ定められた治療方法や使用材料に基づいて行われる場合に限り、保険適用が認められるケースも存在します。
インプラント治療において保険適用が認められるための条件は、次章でご紹介します。
基本的に自由診療となるインプラント治療ですが、「ほかの治療法で咀嚼機能の回復が難しい」と考えられる場合には保険適用が認められるケースがあります。
下記の厳格な条件が定められているため、治療前に適用の可否を確認することが重要です。
生まれつき顎や歯に異常があること、また、病気や事故等による損傷で以下の条件を満たす場合は保険適用が認められます。
参照:厚生労働省「歯科固有の技術の評価の見直し」・「令和6年度診療報酬改定の概要 【歯科】 厚生労働省保険局医療課)」
これらの条件を満たしているか、歯科医師の診断が必要です。
上記のような先天的・後天的な条件が揃っていても、次の条件を満たした医療機関でインプラント治療を行わなければ保険適用とはなりません。
これらの条件は、一般的な歯科医院ではほとんど該当しません。
そのため、保険適用でインプラント治療を希望する場合には、大学病院をはじめとした高度な医療を提供する「特定機能病院」に通院する必要があります。
インプラント治療は多くの場合、自由診療(保険適用外)となるため費用が高額になる傾向にあります。そこで活用したいのが「医療費控除」です。
医療費控除とは、1年間で支払った医療費に応じて所得税の還付や住民税の減税が受けられる制度です。
ただし次節でご紹介するような「条件」を満たしている必要があります。申請時の注意点とあわせて見ていきましょう。
1年間の医療費が10万円以上かかった方、もしくは1年間の所得金額の合計が200万円未満で医療費が所得金額の合計の5%以上の方は医療費控除の申請を行えます。
医療費控除額は以下の計算式で求められます。
【医療費の総額】−【保険金等で補填される金額】−【10万円または所得の5%額(少ない額のほう)】=医療費控除額(上限額は200万円)
医療費の総額から、高額療養費や保険会社から支払われる保険金と10万円を差し引いた額が医療費控除額となります。「医療費」に含まれるものは、インプラントの治療費だけではなく、以下の費用も含まれます。
ご自身だけでなく、生計をともにする家族の医療費も合算できるため、明細書や領収書を忘れずに保管しましょう。また、デンタルローンやクレジットなどで立て替えられた治療費も対象です。
さらに、通院の際にかかった交通費も医療費に含められます。ただし、基本的にバスや電車などの公共交通機関のみ(※)が対象で、自家用車は認められないため注意が必要です。※タクシーの場合は条件あり
詳しくは以下のコラムをご覧ください。
参照:国税庁「No.1122 医療費控除の対象となる医療費」
医療費控除の申請を行う際には、以下の書類が必要です。確定申告の期間は原則として例年「2月16日〜3月15日(※)」のため事前に準備しておきましょう。※土日祝の場合は翌平日に繰り下がる
確定申告書と医療費控除の明細書は国税庁のホームページから作成できます。また、医療保険者が発行する「医療費通知」や健康保険組合が交付している「医療費のお知らせ」は、医療費控除の明細書の記載を簡略化できるため保管しておきましょう。
インプラント治療は、ほとんどの場合自由診療であり高額となるため、費用について十分に確認することが重要です。
西村歯科(南大阪ペリオインプラントクリニック)では、インプラントの治療期間や方法についてはもちろん、費用面においても丁寧にご説明します。インプラント治療を検討されている方は、お気軽にご相談ください。
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