インプラント付近の歯茎が腫れている、もしくはインプラントがグラグラしているなどの症状がある場合は、インプラント周囲炎を疑いましょう。インプラント周囲炎は進行すると、インプラントが脱落する可能性もあります。
本コラムでは、インプラント周囲炎の予防法や治療法をご紹介します。正しい方法でインプラント周囲炎を防ぎ、インプラントを長持ちさせましょう。
インプラント周囲炎とは、インプラント治療後の歯茎が炎症を起こしている状態です。初期段階では、インプラント周囲粘膜炎と呼びます。初期段階では自覚症状がほとんど無いため、気づいたときには症状が進行していることが多くあります。糖尿病の方は、特に注意が必要です。糖尿病の場合、インプラント手術の傷が治りにくく、嘩液の分泌量も少ないため、口腔内で歯周病菌が増殖しやすい環境ができてしまいます。結果的に周囲炎が進行し、インプラントが脱落する可能性があります。
とはいえ、インプラント周囲炎はインプラント治療者であれば誰でもなる可能性がありますので、セルフケアや歯科医院でのメンテナンスが重要です。
歯科医院のメンテナンスで、セルフケアでは落としきれない汚れを取り除き、歯や歯茎に異常がないかチェックしてもらいましょう。インプラント周囲炎を防ぐには、生活習慣の改善も効果的とされています。禁煙や禁酒、バランスのよい食生活、十分な休息などを心がけましょう。
インプラント周囲炎の治療法は、大きく分けて2つあります。
一つ目が、PMTCや洗浄、抗生物質の服用、生活指導などを行う「非外科的治療」により、インプラント周囲炎を引き起こす原因を取り除きます。
二つ目が、歯茎の切開やインプラント体へのアプローチを行う「外科的処置」です。病変した部位を直接処置する治療法で、場合によっては骨移植が必要になるケースもあります。
インプラント周囲炎を初期段階で自覚するのは難しいものの、定期的にメンテナンスに通っていれば、早期発見・早期治療が可能です。インプラント周囲炎の重症化を未然に防ぐためにも、定期的に歯科医院でメンテナンスや歯科検診を受けましょう。