歯周病は加齢によって発症すると考えている患者様も少なくありません。確かに、加齢に伴って口内環境が変化するため、歯周病の発症リスクが高くなる傾向はあり、高齢者に多い病です。しかし45歳以上になると歯周ポケットが広くなりやすい傾向にあり、歯周病リスクが高くなります。また、女性の場合は女性ホルモンが減少する年齢になると唾液の分泌量が減るため、口腔内が乾燥し菌が増殖してさらにリスクが高くなります。
口内環境や免疫機能は心身の状態にも左右されるため、歯磨きをしっかり行なっている方であっても発症する可能性があるので注意しましょう。
しかしながら、歯周病は年齢に関わらず発症する感染症であることも事実です。歯周病は歯周病菌に感染することで起こるため、小さな子供でも感染して重症化すれば歯周病となります。つまり、年齢関係なく、口内環境によっては誰でも発症リスクがあるということです。
子供が発症する歯周病にはいくつか種類があり、その中でも不潔性歯肉炎が多いです。大人と同じく普段の歯磨きが適切に行なわれていない場合に起きるため、正しく歯磨きを行なって予防していきましょう。特に口呼吸の子供は、口腔内が乾燥しやすく、唾液の分泌量が減っている傾向にあります。口腔内が乾燥すると、歯垢が歯に付着しやすい状態になるので、保護者がしっかり歯磨きを行なって歯垢を除去していきましょう。
子供の歯周病は歯の生え変わるタイミングでも起きやすく、歯並びにも影響するため注意が必要です。また、思春期の女性は女性ホルモンの影響でプレボテラ・インターメディアという歯周病菌が活発化することに加え、外出など増えることで歯磨きの回数が幼い頃より減っていることで炎症リスクが高くなります。
しっかりケアを行なうことを意識しましょう。また、若年性歯周炎と呼ばれる歯周病もあり、はっきりと原因がよくわかっていないケースで起こることもあります。30代ほどで顎の骨が減ってしまい、歯が移動するなどの症状まで出てくるため、早期発見と治療が重要です。子供の頃から歯科医院で定期検診を行なうようにしましょう。