歯科コラム

インプラント治療後に噛むと痛みが出る場合の対処法

「インプラント治療後に噛むと痛い」

このようなお悩みを持つ方もいるでしょう。

インプラント治療後の痛みにはさまざまな原因があり、放置すると症状が悪化する恐れもあります。

本コラムでは、噛むと痛みが出る理由とその対処法について解説します。痛みを改善するための手助けとなれましたら幸いです。

インプラント治療後に噛むと痛い原因

インプラント治療後に噛むと痛みが出る場合は、いくつかの原因が考えられます。代表的な原因について詳しく見ていきましょう。

手術直後で組織の損傷や炎症が起こっている

インプラント治療後の痛みは、手術による組織の損傷や炎症が原因のケースがあります。術後は数日間、痛みや腫れ、違和感を覚えることがありますが、通常は時間経過とともに治まるのが一般的です。

症状が強いときは、患部を冷やすことで症状を和らげられます。多くの場合、1週間程度で軽減するため、痛みが強くなったり長引いたりしない限りは、経過を見守ることも大切です。

埋入位置がずれている

インプラントの埋入位置がずれていると、噛み合わせに乱れが生じたり、顎に過度な負担がかかったりして、強い痛みを引き起こす原因となります。また、周囲の天然歯に干渉したり、神経を圧迫したりすることも原因の一つです。

特に、神経を圧迫しているケースでは、痛みだけでなく痺れも生じる恐れがあります。

細菌に感染している

インプラントの痛みを引き起こす代表的なトラブルの一つに「インプラント周囲炎」があります。インプラント周囲炎は、インプラントのまわりの歯ぐきや骨に細菌が感染して炎症を起こす症状です。

口腔内の清掃が行き届いていない場合、細菌が繁殖して感染しやすくなります。初期状態では赤みや腫れ程度ですが、症状が進行すると、骨が溶けてインプラントが動揺する恐れがあります。

重症化するまで痛みは感じにくいため、違和感を覚えた段階で検査を受けることが大切です。

インプラント周囲炎については、以下のコラムも参考にしてください。

インプラント周囲炎とは

生活習慣が影響している

歯ぎしりや食いしばりなどの生活習慣が原因で痛みが生じているケースです。無意識のうちに行われることが多く、小さな負荷が蓄積することでインプラントに負担がかかります。

ほかにも、喫煙や睡眠不足などの生活習慣も、口腔内の環境を乱して炎症を誘発するリスクがあります。また、食後や就寝前の歯みがきを怠らないことも大切です。

歯や歯ぐきに付着した汚れが長時間残ることでインプラント周囲炎を引き起こす恐れがあるため、口腔内のセルフケアも徹底しましょう。

噛み合わせが乱れている

時間の経過によって噛み合わせが変わることで、噛んだ際に痛みを感じるケースがあります。噛み合わせが乱れると、インプラントに過剰な力が加わり、インプラント自体や周囲の歯肉にダメージが生じて痛みが発生します。

また、噛み合わせの悪い状態でインプラント治療をすると、噛む力が均等に分散されず痛みが出る場合があります。噛み合わせに不安のある方は、事前に歯科医師に相談することが大切です。

インプラント治療後に噛むと痛い場合の対処法

インプラント治療後に噛むと痛い場合の対処法について紹介します。原因にあった対処法を選択しましょう。

歯科医院に相談する

インプラントを噛むと痛みを覚える場合は、早めに歯科医院に相談するのが安心です。痛みの原因には、埋入位置のズレや噛み合わせのズレ、インプラント周囲炎など、専門的な診断が必要なものが多く含まれます。

特に、埋入位置のずれや重度のインプラント周囲炎が起こっている場合は、再手術が必要になる可能性があります。早期で発見・対応できれば、体への負担や治療費も抑えられるため、違和感を覚えた段階で相談しましょう。

口腔ケアを徹底する

口腔内に汚れが溜まると、インプラント周囲炎を発症する恐れがあるため、日々のケアは丁寧に行いましょう。歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを使い、歯間の汚れを除去することが大切です。

特に、インプラントの周囲は汚れが溜まりやすいため、意識的なケアが求められます。また、セルフケアでは落とせない汚れや歯石を除去するために、歯科医院で定期的なメンテナンスを受けることも重要です。

口腔ケアを徹底することで、インプラントのトラブルを未然に防止できます。

インプラントのメンテナンス方法については、以下のコラムで詳しく解説しています。より具体的な内容を知りたい方は、ぜひこちらも併せてご覧ください。

インプラントのメンテナンス方法

インプラントへの負荷を抑える

歯ぎしりや食いしばりで痛みが出ている場合は、インプラントへの負荷を抑えることが大切です。寝る前にナイトガードを装着したり、睡眠の質を改善して症状を減らしたりすると、負荷を緩和させる対策となります。

また、日中も仕事や作業に集中しているとき、あるいはストレスや緊張状態にあるときに、歯を強く噛み締めていないか意識的にチェックしましょう。

ほかにも、固い食べ物を避けたり、咀嚼の偏りを避けたりして、インプラントに過剰な力が加わらないよう、日常生活でも工夫する必要があります。

当院では、複数のプランから患者さまの希望に合ったインプラント治療を選択していただけます。治療を検討されている方は、ぜひ気軽にご相談ください。

Q1:インプラントを長持ちさせるにはどうしたらいいですか?
A1:インプラントを長持ちさせるには、インプラント周囲炎の予防が大切です。毎日の歯みがきに加え、歯科医院でのクリーニングも定期的に行いましょう。
Q2:インプラントの手術中に痛みは感じますか?
A2:手術中は局部麻酔を行うため、痛みを感じることはほぼありません。しかし、麻酔が切れたあとは、1週間ほど痛みを感じる場合があります。