インプラント治療の流れについて
歯周病などが原因で歯を失ったときに有効なインプラント治療ですが、治療の流れが分からず手術への一歩が踏み出せない方もいるのではないでしょうか。本コラムではインプラント治療の流れや、期間を具体的に解説します。また、治療後の注意点ついてもしっかり理解しておきましょう。
インプラント治療の期間と主な流れ
インプラント治療の期間は上顎で3ヶ月、下顎で2ヶ月程度ですが、症例により4~6ヶ月になることもあります。インプラント治療の主な流れは次の通りです。
- 1.相談:約30分~1時間
- まずは口腔内の悩みを歯科医師に相談し、インプラント治療の具体的な方法や費用の説明を聞きます。疑問や不安があれば、できるだけこのタイミングで確認しておきましょう。
- 2.検査:約30分~1時間
- 続いて、問診や口腔内の検査をします。レントゲンで歯や顎、CT撮影で神経と血管の詳細をチェックしながら、今後の治療計画を決めていきます。
- 3.インプラント体の埋入:1本当たり約15分
- 顎骨に穴を開け、インプラント体を埋め込みます。麻酔をかけるので施術中の痛みはほとんど感じません。施術後はインプラント体が骨とくっつくまで、2~3ヶ月ほど待ちます。
- 4.アバットメントの装着:約60~90分
- インプラント体と骨がくっついたら、インプラントの型を取って支台となるアバットメントを装着します。
- 5.人工歯の装着:約30分
- 1~2週間後、患者さまの歯の色や形にあった材質で作成した人工歯をインプラント体の上に取り付けます。
これでインプラント治療はひとまず完了です。
手術後の過ごし方と必ず受けたい定期検診
インプラントの手術後に麻酔が切れると、痛みや腫れが起きる場合もあります。このようなときには、痛み止めを服用し、日常生活に注意を払いながら過ごすことが大切です。
- 喫煙:術前・術後2週間は控える
- 食事:刺激のあるものや熱いものは避ける
- 飲酒・運動:歯茎の腫れがある場合は3日ほど控える
- お風呂:当日はシャワーのみとする
- 抗生物質:飲みきる
また、歯周病原細菌が溜まるとインプラント周囲炎が起き、インプラントが脱落するおそれがあります。そのため、日々の丁寧なブラッシングや歯ぐきのまわりの歯石除去が重要です。3か月〜6か月に一度、30分程度の定期検診を必ず受けて、しっかり歯のメンテナンスをしていきましょう。
- Q1:治療中は歯がないのでしょうか?
- A1:人工歯を取り付けるまでは仮歯を使用するので、歯がない期間はほとんどありません。ただし、口腔内の状況により奥歯には仮歯を入れない場合もあります。
- Q2:インプラント治療をした日はどう過ごすべき?
- A2:日常生活や事務などの軽い仕事であれば問題ありません。ただし、喫煙や飲酒、湯船に浸かるなどは避けるようにしましょう。