歯科コラム

インプラント治療のデメリット

メリットが多いインプラント治療ですが、その一方でデメリットも存在します。まず挙げられるデメリットは治療費が高額であることです。インプラント治療は保険適応外であり、高額な治療費が全額患者様の負担となります。手術費用は歯1本で30~40万円ほどかかり、治療箇所が多ければさらに費用がかかります。また、治療後もインプラントは定期メンテナンスが必要となります。定期メンテナンスは3ヶ月に1回の頻度で行ない、インプラントの定着具合、噛み合わせや歯の健康状態をチェックしていきます。これらも費用が別途かかります。

次に挙げられるデメリットは治療期間の長さです。通常の歯の治療と異なり、抜歯以外に切開と縫合といった外科手術を行ないます。経過観察で通院回数も多くなるほか、挿入したインプラントと骨を結合させるまでに一定期間を要しますので、治療完了におよそ6ヶ月ほどの期間がかかります。手術中、麻酔が効いて痛みが軽減されていても患者様の身体に負担がかかっているのは事実であり、持病のある方には難しい治療方法となるのが現状です。

また、インプラント治療が持病のある方にとってデメリットが多い理由として、感染症のリスクが高くなることも挙げられます。インプラント治療は外科手術が必要なので、傷口から細菌が入り込む危険性があり、免疫力の低下している方は骨を溶かしてしまうインプラント歯周炎を引き起こす可能性がより高くなります。インプラント歯周炎が進行した場合はインプラントが脱落してしまう可能性もあり、治療後でも口腔内のケアには細心の注意が必要不可欠です。

喫煙をしている場合もインプラント歯周炎を引き起こす可能性が高くなります。喫煙は血管を収縮させ血行を悪くするので唾液の分泌量が少なくなり、口腔内に細菌が増えます。 血行が悪いと骨とインプラントを結合させる力も弱くなってしまうため、健康状態を整えてからインプラント治療を行なう必要があります。