2016年11月29日 (火)
こんにちは。
歯科医師の村田です。
今回は入れ歯の製作についてです。
入れ歯を作るには次の5つの行程が必要です。
①参考用模型用の型取り
②精密な型取り
③噛み合わせの位置決め
④試適(歯並びのチェック)
⑤完成、調整
1つずつ説明していきます。
①参考用模型の型取り
入れ歯を作るには2回の型取りが必要です。
1回目は既製の型枠で大まかな歯型を取ります。
この模型を使って入れ歯を設計します。
②精密な型取り
歯茎の形や顎の大きさは人によって違うので既成の型枠ではきれいな型は取れません。
そこで①の模型を参考にして一人一人に合った専用の型枠(個人トレー)を作り、精密な型取りをします。
印象材(歯の型を取る材料)の厚みが厚いと収縮率の問題で何ミクロンかの誤差が出ます。
均一で印象材が薄いほど精度が高くなるので専用の型枠が必要になるわけです。
あと、粘膜の外形を正確に採るには既製では無理なので2回に分ける必要があります。
ぴったり合う入れ歯を作るには相当な精度が必要なのです。
専用の型枠で精密な型取りをすることで、より適合の良い入れ歯を作ることができます。
③噛み合わせの位置決め
残存歯が多ければ噛み合わせの位置はわかりますが、残存歯が少なければ専用の装置を使って噛み合わせの位置を決めます。
④試適
実際に人工の歯を並べて噛み合わせや見た目が問題ないか確かめます。
⑤完成、調整
やっと入れ歯の完成ですが、新しい入れ歯はいきなり完璧には使えません。
実際に使っていただいて歯茎の当たり具合や噛み合わせの微調整が何度か必要です。
入れ歯の部位や大きさ、設計によって省ける行程もありますが、
基本的に入れ歯を作るには5回の治療とその後の調整が必要です。
期間にして1ヶ月〜2ヶ月かかります。
また、わからないことなどあればドクター、スタッフにお尋ねください。
カテゴリー: 一般歯科