2016年7月4日 (月)
歯周病ブログ担当の歯科医師、池崎です。
今日は歯周病治療について、いつも感じることや思うことを書きます。
普段診療をしていて思うのですが・・・・
歯周病の患者さんは、自分自身で歯周病だと気付いてない患者さんが多いように思います。
特に、歯石が目に見えるくらい付いている患者さんで自覚がない方は要注意だと思っています。
そういった患者さんを診て最初に思うのは、このまま歯周病について何も知らずにいて、
歯周病の説明も受けず、治療もせずに行くと気付かぬ内に歯周病が進んで、
「噛んだら歯がグラグラして痛い」、「歯茎が腫れてきた」などで来院されて・・・。
そうなった時には既に手遅れで歯を抜かないといけなくなり、
それを繰り返してる内に徐々に歯がなくなって行くんだろうなと思ってしまいます。
歯石が沢山付いる場合は、まず歯石を取っていき、口腔内を綺麗な状態で維持すれば大丈夫そうなら、
歯周病について説明して、複数回の歯石除去を進めていきます。
(一度に取り切れないくらい歯石がついている方に歯周病は多いのです)
保険適用内で治療できる範囲の歯周病の方は、保険治療で構わないと僕は思います。
しかし、重度の歯周病の患者さんはそれだけでは良くならない方もおられます。
そういう患者さんには、歯周病菌が原因であれば、歯周内科をお勧めします。
―歯周内科とは何か?―
歯周内科治療は熊本県の開業医、生田図南先生が考案された方法です。
僕が歯周内科という言葉を知り、どういうものなのかと言う事を初めて知った時、
歯石除去はもちろんしますが、お薬を飲んでもらい歯周病菌を減らしていき
歯茎の状態を良くしていくというのは実際に本当に効果的なのか?と思いました。
そう思いながらも歯周内科治療の生みの親である生田先生の講習会を受け、
熊本県の天草の生田歯科へ実際に見学に行かせて頂きました。
生田歯科の見学はとても勉強になることが多く、
確かにお薬で菌を減らして歯周病の治療をする事の有効性を実感する事ができました。
保険診療では歯石除去のみになりますが、歯周内科は自費治療です。
自費治療であっても、PCR検査(DNA検査)をして細菌の数を精密に検査出来るので、
保険診療より費用がかかっても、それをする価値はあるのだと分かりました。
治療のためのお薬を飲んでもらうだけではなく、
ペリオバスターやハリゾン、歯周内科用のマウスピースを併用する点もキーポイントです。
・ペリオバスター:殺菌性の高い歯磨き剤
・ハリゾン:殺菌作用の高い抗生物質(飲み薬)
注)上記のお薬は処方箋の必要な医薬品で、市販で入手は出来ません
特に、重度の歯周病であったり、まだ若いのに歯周病にかかってる若年性歯周炎の患者さんには、
現存する歯を少しでも長く持たせてあげたいという気持ちがありますので
積極的に歯周内科をお勧めしていきたいと思いますし、試して頂きたいと思っております。
カテゴリー: 歯周病治療