2017年2月27日 (月)
こんにちは。
歯科医師の村田です。
歯科治療を進めていくにあたってレントゲン撮影は欠かせないものです。
レントゲン撮影には放射線の一種であるX線が使われています。
そこで
「放射線を浴びて被曝量は大丈夫?」
という疑問が浮かぶと思います。
そこで今回は歯科で使われるレントゲン撮影の方法と被曝量についてお話ししたいと思います。
まずレントゲン撮影をすることで何がわかるのか?です。
・目では見えない場所(詰め物の中、歯と歯の間など)の虫歯
・歯根の状態(神経の有無、破折など)
・歯周病の骨の状態
・顎関節の状態
・親知らずの位置、方向
・子供の場合は永久歯の位置
などレントゲンを撮ることでたくさんの情報を得ることができます。
歯科で使うレントゲン撮影には部位や目的によって3つの種類があります。
①デンタルエックス線撮影
小さなフィルムを口の中に入れて撮る方法です。
1枚に写る範囲は歯3本〜4本です。
決まった歯を詳しく調べたい時や根の治療終了後に撮ることが多いです。
②パノラマエックス線撮影
お口の中全体を写す方法です。
主に初診時やメンテナンスなど全体をみたい時に撮ります。
③歯科用CT撮影
①②の撮影法では平面でしかわからないですがCTは立体的な画像で診断できるので、親知らずの詳しい位置を知りたい時やインプラント前に撮ることが多いです。
次にそれぞれの被曝量ですが、
日本で1年間で自然界の放射線から浴びる被曝量が約1.5mSvです。
そして
①デンタルエックス線=0.01mSv
②パノラマエックス線=0.03mSv
③歯科用CT=0.1mSv
要するに歯科におけるレントゲン撮影は非常に小さな被曝量で多くの情報を得ることができるのです。
また西村歯科ではデジタル式のレントゲンを使うことで、従来のフィルム式のレントゲンより約4分の1程度の被曝量になっております。
ちなみに、
胸部レントゲンで0.05mSv
胃のレントゲンで0.6mSv
東京からニューヨークまで飛行機で往復すると0.2mSv
の被曝量があります。
上の図にはありませんが、胎児に影響が出るのは100mSv以上と言われています。
なので、この被曝量では妊娠中の方でもほぼ問題ないということになります。
それでも心配な方には、放射線を通さない鉛でできたエプロンをお腹にすることで、完全に放射線ブロックすることができます。
歯科治療においてレントゲンはなくてはならないものです。
そして、これらのことがわかっていれば、安心してレントゲン撮影を受けることが出来ることと思います。
長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました!
カテゴリー: 一般歯科