むし歯を検査する際は視診やレントゲンで調べます。一方、歯周病の検査には歯周ポケットの深さを調べるプロービング検査、歯の揺れを調べる動揺度検査、歯肉からの出血を診る出血指数、細菌数を調べる細菌検査などがあります。
当院では歯周内科の診療を行っておりますので、治療の評価のためにプロービング検査以外に細菌検査を採用しております。細菌が原因となっている病気として、進行度を目に見える形で提示することができます。
また、治療前と治療後の状態の客観的な比較も可能です。この検査において、限りなく歯周病原細菌の数を0に近づけることを治療の目標としています。
歯石は歯垢が付着しやすいほか、無数の穴を持っていて細菌が隠れやすい場所です。細菌の温床となる歯石をスケーラーという器具を使って、掻くようにして取り除きます。歯磨きでは取れない汚れを落とすため、終った後は歯触りがすっきりします。通常の状態で、3~6か月に1回くらいの頻度で受けていただくことが理想的です。
進行した歯周病の場合、歯石は歯周ポケットの奥まで入りこんでいます。そのため、スケーリングだけでは充分に歯石を取り除くことができません。ルートプレーニングはポケットの奥深くまでスケーラーを挿入するので、歯石はもちろん、感染した歯質も取り除くことができます。痛みを伴う場合があるため、麻酔をした上で行います。
朝起きたときにお口の中がネバネバする感覚がしたことはありますか?それは、口腔内の細菌環境が芳しくないために発生する、ヌメリかも知れません。このヌメリはバイオフィルムと言って、細菌の塊です。特殊な器具を用いて、歯科衛生士などのプロが行うクリーニングで、破壊することができます。口腔内環境の改善に繋がります。
中度や重度の歯周病で、スケーリングやルートプレーニングでは不充分な場合、以下のような外科的な治療を行うこともできます。
歯肉剥離掻爬術(しにくはくりそうはじゅつ)とも言います。歯肉を切除し、歯の周りに溜まった歯石を除去する方法です。切開した歯肉は元の位置に戻し、縫合します。歯周ポケットが深すぎてスケーリングができないときに行います。
歯周組織の再生を図るもう一つの方法です。歯石や感染した歯質を除去した後、特殊な人口膜で歯槽骨を覆うことで、組織の再生を図ります。膜を使用する理由は、歯肉の方が歯周組織よりも再生が早いせいで、膜がないと歯周組織を覆ってしまうためです。
歯周組織が破壊されている場合に、再生させるための治療です。歯肉を切開し、歯石を除去した後、エムドゲインという薬剤を塗布してから縫合します。エムドゲインは幼若ブタの歯胚から抽出したたんぱく質に溶液を加えたものです。この方法によって、50%から90%の歯周組織が再生できます。